【山梨県・酢】戸塚醸造店を訪ねました
山梨県は私の出身地。
帰省に合わせ、無添加 無農薬 天然醸造純粋米酢の戸塚醸造店へ行ってきました!
実家から車で15分、こんなに近いところだとは!
以前お豆腐工場だったところを改装しながら、酢造りをしています。
酢の大きな看板は、近くを通る高速道路から見てもわかるように…とのこと。
建物の中より先に看板!だと思ったそう。
ここの酢は、看板でもわかるとおり甕仕込み。
九州の方から使わなくなった甕を譲り受け、その甕で仕込みます。
これは前の蔵から運んできたものなので、中にはまだ入っていませんが、
それでも酢の香りが漂ってきました。
今仕込んでいる蔵の中はこんな感じ。
この甕も九州から譲り受けたものを引き取ったそう。
このようなお部屋が3か所ありました。
案内してくださった戸塚さん♪
戸塚さんがこの酢を作り始めたきかっけがまた面白い。
「継ぐ」というと「家業を継ぐ」というイメージが強いですが、
先代とは血のつながりもなければ、養子や婿に入ったわけでもなかったという戸塚さん。
「最初に先代と出会ったきっかけは『もうここやめるんだけど、
廃業手続きはどうしたらいいの』っていう相談だったんです。
僕は高校卒業後からずっと金融界にいまして、銀行員としてこの工場の担当になったんですよ」
そう、戸塚さんと先代の最初の出会いは、なんと「銀行員」と「得意先」という間柄。
当時70歳だったという先代が年齢や体調の問題に直面し、
さらに跡取りがいない状況であったため、工場をたたもうとしていたころのことでした。
戸塚さんは銀行員として先代の相談に乗りながら、いろいろな話を聞いていきます。
伝統製法でつくられる製造工程のおもしろさと大変さ、
もともと体があまり丈夫ではなかった先代の、無農薬のお米をつかうことへのこだわり、
そしてそれらをひっくるめたお酢づくりへの思いと廃業への葛藤――。
そんな話をしながら仲良くなっていったころ、先代が体調を崩して突然の入院。
幸い大事には至りませんでしたが、工場の人手が足りなくなったそのときから、
時間の合間を縫って戸塚さんが工場を手伝う日々がはじまります。
キナリノ vol.49 より
戸塚さんには初めてお会いしましたが、
一瞬で仲良くなれるような明るい性格で、
話しも大好きだし、常にニコニコしている方でした。
ここまで商品としてできるまでには大きな苦労もあったことを思うと、
この人柄だからこそ、たくさんの方の知恵を借りながら進んでこれたんじゃないかと感じます。
山形の契約農家のお米「有機栽培コシヒカリ」を自ら製麹し、日本酒にし、
製麹も自らの手でじっくり製麹し、自ら日本酒を
その中に種酢を入れ、酢酸発酵によってお酒が酢に変わっていきます。
関東では、このような甕で、じっくりと熟成させる静置発酵で作られる酢はココだけ。
で、私が嬉しいのは、富士山の伏流水を使っていること。
しかもろ過をせず、長期間熟成させた上澄みを製品にしています。
なので、一般的な透明な酢よりも、多少濁りがあるのが特徴。
その分うまみのある、まろやかなお酢になっています。
新しく移転した場所はとても広いのですが、
多くの酢を造って出荷していく…ということよりも、
熟成期間を長めにして、
もっとまろやかなお酢を造りたいとおっしゃっていました。
甕を置く場所も、来店者に見ていただけるような作りにしたり、
これから少しずつ進化していくみたいです。
私も実家に帰るときの楽しみになりました!
特に関東地方にお住いの方で、
こだわったお酢を…と探している方には使ってみてください。
※自撮りが苦手で、見苦しい写真でごめんなさい…。
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