【油@福岡県】圧搾法・菜種油を製造する平田産業
福岡県朝倉市に油メーカーの平田産業があります。
主に菜種油を中心に、製造されています。
自然食品屋さんやこだわりのスーパーの油コーナーには大抵、平田産業の菜種油がならんています。(一番左はオリーブオイルです)
この辺りの商品を見かけたことがある人もいるかもしれません。
質の良い油を作るメーカーは小さな企業が多い中、その中でも平田産業は大手といっても良いでしょう。
平田産業の思い
平田産業さんで特に知っておいていただきたいのは、
「一般的な油を使っている人にも、気軽に手に取っていただけるような油にしたい」という思いがあるということ。
一般的な油というのは、スーパーで良く見かけるキャノーラ油、サラダ油などです。
その油は無味無臭でクセがない透明なものがほとんど。
なので平田産業は、使いやすく、一般の方にも手に取っていただけるよう、脱臭や脱色の工程も経た油も製造しています。
上記、商品の写真の中でいうと紙パックに入った油とその隣の国産菜種油です。
(多少、琥珀色ですが、クセがない油です。)
ただ、一般的な製法とは違い、薬品を使ったり、酸化させるような加熱は行わずに油を作っています。
平田産業のこだわり
平田産業のメインの菜種油の原料は遺伝子組み換えでないオーストラリア産。
平田産業は、もともとカナダ産の菜種を使用していましたが、カナダで遺伝子組み換えの菜種が栽培されるようになり、安心・安全の観点からオーストラリアの農家さんに直接お願いし、変更した経緯があります。
オーストラリアでも遺伝子組み換えを許可している州もあるようですが、許可されていない、しかも花粉などの影響も心配がいらない島で契約栽培されています。
そして菜種の搾り方は「圧搾法」です。
これが絞った油が出てきているところ。
一般的な油は、薬品を使用して溶かすことで、菜種の油分をより多く取ることが可能ですが、圧搾法は絞り出すだけなので、その分、油はとれません。
それでもこの圧搾法にこだわって、絞っています。
油分の多く残った搾り粕は、農家さんが肥料として使用したり、家畜の餌になっています。
その後
酢を入れ、油の中のたんぱく質などの不純物を取り除く
↓
水で洗うことで、油の中の水溶性のたんぱく質や不純物を取り除く
↓
白土を入れ、脱色する
↓
真空管の中で蒸気にあてながら脱臭していく
このような作業を行って、油が出来上がります。
一般的な油は、ほどんどが薬品を使用したり、高温で温めたりする過程を経て製造されるので、見た目は同じような油でも、作り方は全く異なります。
私の講座では、この工程がわかるような見本を持参して説明しています。
OEMも多い!
平田産業の油は、OEMの割合が多いのが特徴です。
福岡県では、平田産業独自のパッケージをよく見かけますが、他の地域では違ったパッケージになっていることが考えられます。
「オーストラリアの菜種」「圧搾法」「紙パックに入っている」など、共通しているところがあれば、おそらく平田産業さんが製造された油だと考えて良いでしょう。
下記の写真を参考にして下さい。
国産菜種油も販売開始しています!
国産の菜種は、大豆の輸入自由化で大豆油が増えたこと、その後菜種の輸入自由化も始まったことで、国内生産は減少していきます。
なので国産の菜種はとても貴重。
そんな中、北海道の菜種をメインに入手することができるようになり、現在では国産菜種油も製造しています。
特に国産の中には、脱臭・脱色をしていない「赤水」と言われる商品もあります。(商品の写真の左から2番目。
我が家の平田産業の油の使い分けは…
再度写真、登場!
平田産業の油で、我が家の使い分けはどのようにしているかというと…
・通常使い ⇒ 左から2番目の国産菜種油(赤水)
・揚げ物 ⇒ 紙パックか、その隣の国産なたね油
こんな感じです。
私はできるだけ自然な方法で作られた製法が好きなので、国産菜種の脱臭・脱色をしていない色のついた油を通常使用します。
ただ、揚げ物などになると、部屋中ににおいが広がったり、色が付きやすい、大量に使用するという金額的な観点から、右2つを使用します。
見学ツアーも!
福岡で生活していた時は、何度も見学ツアーを企画させていただきました。
工場の見学以外に、ビデオでの説明、試食なども用意していただき、参加してくださった皆さんもとても有意義に油を知ることができたと思います。
基本的に一般の方の見学はしていないので、希望される方は直接連絡してみてください。
社長の息子さんと♪(時期社長かな?)
―――――