調味料からみる、東海地方の独特な文化
8月から6回講座で
『なごや学~たまり醤油・豆味噌~』という講座に参加しました。
豆味噌・たまり醤油の歴史、
メーカーや組合の方からの製法や、どのように認知を広げているのかという話し、
栄養のこと、
料理教室(きしめん・味噌煮)などなど、
ホントに盛りだくさんな内容でした。
おそらく滅多に話しを聞く機会が持てないような、
博物館の方から、大学の教授、メーカー、醤油組合、有名店の社長、有名料理長・・・
すごい人たちから、愛知県独特の調味料について学ぶ機会があるなんて、
私のためにある講座だったんじゃないかと錯覚するぐらい(笑)
今、いくつも調味料メーカーに伺い、見学させていただいていますが、
それに加えてこの講座のおかげで、さらにパワーアップすることができ、大きな自信にまりました。
伝えたいことが沢山出来ました!
今日はそんな中、1つわかったというか、腑に落ちたことがあったので、ご紹介します。
必ず出てくる三英傑!
6回の講座の中に、必ず出てくるのが三英傑。
三英傑っていうのは、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の3人のこと。(知らなかった私…)
この東海3県ではホントにヒーローで、この3人が天下をとれた裏には、豆味噌・たまり醤油があったという、調味料の歴史として外せない部分を知ることができた気がします。
歴史が苦手な私でも、なんか興味が出てきたぞ!
これは2年前の写真です。たまたま名古屋経由で帰省した時に撮りました。
まだ引っ越してから名古屋城には行けてません…。
なぜ、調味料が広がらなかったのか
たまり醤油・豆味噌は、東海3県で作られている調味料です。
他ではほとんど作っていません。
東海地方のスーパーでは、普通に置いてありますが、他ではなかなか手に入りません。
また、今見学させていただいている調味料メーカーも、醤油・味噌は、ほぼたまり醤油と豆味噌を作っています。
天下を取った三英傑がいたのであれば、この地域から全国へ行った人も多かったはず。
行った地域にたまり醤油や豆味噌がないなら、そこで作らせることもできたように思います。
そしたら今、もっと全国的に広がっていたんじゃないかな…。
しかし、東海3県のみしか広がらなかったのには、理由がいくつかあるようです。
その1つは、このたまり醤油・豆味噌があったからこそ戦に勝てたということ。
だから、この味噌・醤油だけは教えてはならぬ!と、他の地域に広めてはいけないとなったようです。
栄養価も高く、腐りにくいため、長期戦の戦いにも有効的だったんですね。
今の世の中にも根付いている
そんな文化は、今の愛知県人にも根付いていると感じることがよくあります。
以前住んでいた福岡とはなんとなく違うなぁ…と感じている部分でしたが、この調味料の講座を受講して、納得しました。
自分がいい!と感じたものを広げていこうと考えるよりも、
より自分のものにしたい!と考える方が多い。
そして良い!と思ったことには、とても熱心である。
私の講座も、マンツーマン依頼が多いのはそんな理由があるような気がしました。
愛知県で成功したら、全国で成功できる!と言われているのは、
良いものを世の中に広めていく、伝えていく文化ではないところなので、
いわゆる口コミが少ない、広がりにくいところだからかもしれません。
けど、いったん受け入れられたらすんごいことになるのもわかります。
私自身、一人でやっていくにあたり、毎日が試行錯誤の連続ですが、
調味料の文化からその地域の人を知る機会になり、とても興味深く、これからの活動の参考になっています。
やっぱり調味料って奥深くて面白い。
これからのたまり醤油・豆味噌
世の中が発展し、今はこの東海地方でも豆味噌・たまり醤油を愛用する方が少なくなっているのが事実です。
この20年近くで、たまり醤油の生産量は愛知県で70%も落ち込んでいるというデータもあります。
部外秘にしていたことが、逆に今は広がりにくく、受け入れにくくなっているのも事実です。
愛知県醤油組合の方の話しを聞き、色々と取り組みをされているようですが、うまくいってない雰囲気を感じました。
調味料メーカー的には、これからの存続をどうしていくのか…というのは、とても大きな課題だと思います。
そのあたりも考えながら、私自身も少しでも役に立てるように動いていきたいと思います。
これからの講座は、少し歴史の部分にも触れられるかな。
お楽しみに…。