【三重県伊勢市】御塩殿神社(神宮の御塩)
伊勢神宮の大御神にお供えする御塩は、
同じ市内の二見浦の御塩浜で作られています。
ここで作られた塩は
お祭りの時にお供えとして捧げられるだけでなく、
お清めの塩など、神事に使用されています。
(人間の口に入ることはないようです。)
二見浦からの御塩の調達はいったん途絶えてしまうようですが、
明治になり、古から伝わる作り方が再び復活しました。
今でも決まった日程で、
太古の作り方でできた塩は、
穢れになるべく触れないように一定の道筋を通って、
外宮斎館へ運ばれます。
今回、伊勢神宮に参拝に行かせていたいたのですが、
その中でその塩を作られている
「御塩殿神社」にも行くことができました。
伊勢の二見浦は清き渚と呼ばれ、
神代の昔より、聖域であり、
伊勢神宮にお参りに行く前に、
浜辺で汐水を浴び、心身を清めた禊場です。
その中に二見興玉神社があり、
伊勢神宮へ行く前に、参拝される方も多いのではないでしょうか。
そこから車で2~3分のところに御塩殿神社はあります。
鳥居の前を通りかかった時、ゾゾっとするぐらい、
別の空気が流れているのを感じました。
参拝者は私一人だけしかおらず、(家族は車待機)
この空気感に包まれているのがとても心地よかった・・。
参拝後は、奥にある「御塩焼所」へ。
この奥が海です。
1㎞ほど離れた場所で作れた濃い海水(鹹水)が、
右側の建物に運ばれます。
そして鳥居の奥の建物の中にある釜で炊かれ、塩が作られていきます。
塩づくりは、7月の土用の時期に、10日間ほどかけて
入浜式(海の干潮・満潮を利用した鹹水づくり)という方法で、
濃い海水を作ります。
8月になって一昼夜交代で釜で炊いていく。
この茅引き屋根の中には煙突がないので、
その煙が立ちこめる中、薪を焚き、
塩を取り出す時期を見極める、とても大変な作業。
できあがった塩は、俵の中に入れられ御塩倉に納められ、
にがりを抜いていきます。
その後、10月と3月にそれぞれ5日間をかけ、
三角の土器にいれて焼き固める作業があります。
ちょうど宮司さん?にお会いできたので、
色々と伺うことができましたが、
2月になると、土器の製作にはいるそう。
(その土器は10月に使われます。)
その固められた塩は外宮斎館へ運ばれ、
お供え時に、砕かれ、小さな塊がお供えされます。
毎年10月5日には、
塩業に関わる方々が一同に集まり、
塩業の発展を祈願する行事が行われます。
参考にした資料
今回参拝したときに宮司さんから詳しく塩の作り方や
お供えされるまでを聞くことができました。
その時に教えてくれたのがこのYouTube。
伊勢神宮の公式のもので、その中で塩づくりも取り上げられています。
そしてその時にいただいたのがこちらの冊子。
この中により詳しく歴史や塩作りについて書かれています。
そして私が以前から参考にしていたのが・・・
この塩の写真集。
この中にこの場所での製塩風景の写真が何枚もあります。
今度は塩作りの時、焼き固める作業の時、
ぜひ行ってみたいと思いました。
塩を伝えている身として、
ここを参拝できたことはとてもありがたかったです。
これからも恥じないよう、精進したいと思います。
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